犬の熱中症

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犬の熱中症

高温多湿に注意
熱中症は人間も犬も死に至ることのある大変危険な症状です。犬は暑さに弱く、高温多湿になって体に熱がたまって体温が上昇すると熱中症になります。犬は「気温22℃・湿度60%」以上で、熱中症の危険性があると言われます。熱中症というと気温が高い7月~8月のイメージがありますが、気温が上がった4月でも締め切った車内は高温になりますので注意が必要です。

犬の体温調節
人間は暑いと全身で汗をかいて体を冷やしますが、犬は汗をかく汗腺が肉球にしかありません。口を開けてハアハアを息をして、唾液を気化させることで体温調節をしています。犬の平熱は37.5℃から39℃で、人間より高めです。犬の体温が41℃以上になると熱中症の危険があります。

注意が必要な犬種

熱中症にかかりやすい犬は以下の通りです。熱を吸収しやすい黒い犬も要注意。

■短頭種
シーズー、パグ、ブルドッグ、ボクサー、ボストンテリア、チンなど

■北方が原産の犬
シベリアン・ハスキー、サモエド、グレート・ピレニーズなど

■肥満気味の犬
皮下脂肪が通常よりも厚いため、体内に熱がこもりやすいです。

■子犬や老犬
子犬は機能が未発達、老犬は機能が低下しているため体温調節がうまくできません。

■持病のある犬
循環機能や呼吸機能が低下している犬は熱中症にかかりやすいです。

熱中症予防
●風通しが悪いと湿度が高くなります。風通し良く、熱がこもらない環境にしましょう。
●いつでも好きな時に新鮮な水が飲めるようにしましょう。出かける時は飲み水を持ち歩きましょう。脱水になると熱中症を悪化させてしまいます。
●興奮しやすいワンちゃんは吠え続けることで体温が上がってしまいます。安心させてあげるなどの配慮が必要です。

熱中症の原因と対策
犬が熱中症になる主な原因です。

■冷房や換気のない部屋での留守番
お部屋でワンちゃんだけで留守番させる場合は、遮光カーテンやよしずなどを利用して、直射日光が当たらないようにします。窓を開けても涼しい風が入ってこないのなら、冷やしすぎない温度でクーラーをつけておいてあげましょう。夏は雷雨などで停電も考えられますのでクーラーをかけても部屋を閉め切りにしないようにしましょう。 アルミボードやひんやりするジェルマット(噛むのがすきなワンちゃんに使うのなら飼い主さんの見ているときに)をひいておいたり、凍らせたペットボトルをタオルでまいておいて置くとお腹を冷やすことができてよいでしょう。

■車の中での留守番
暑い日にエンジンをとめると短時間で車内は熱がこもり高温になります。特にダッシュボード付近は70℃になることもあります。少しの時間であっても車内においていかないようにしましょう。 走行中でエアコンをつけていても、ワンちゃんのいる後部座席にエアコンの風が届いてない場合もあります。冷気が届いているか確認しましょう。

■暑い中の散歩
夏のアスファルトは50℃に達しているときもあります。熱いアスファルトを歩いて肉球がやけどをしてしまうこともあります。散歩はなるべく土の上を歩いたり、気温が低い早朝や夕方や夜にするようにしましょう。

■日陰のない炎天下で過ごさせる
屋外で飼育している場合は直射日光があたらないように日陰をつくってあげましょう。海や山で遊ぶ時は時々日陰で休むなどしましょう。飲み水も十分にとれるようにしましょう。ひんやりする服を着せてあげるのもよいでしょう。

熱中症の症状
熱中症の症状

応急手当をして病院へ
まず体温を下げます
●体に水をかけて(体をビニールでおおってから水をかけても良い)体温を下げます。
●冷たくぬらしたタオルでわきや首、体全体を包んで体温を下げます。
●凍らせたペットボトルに扇風機の風をあてて冷気を作ります。

水分補給をします
涼しいところで水をたくさん飲ませます。緊急的に人間用のスポーツドリンクを2~3倍に薄めて飲ませても良いです。すばやく水分・ミネラルが補給できる犬用の「ペットスエット」がおすすめです。

意識がない状態や、危険な状態の場合は、体を冷やしながら一刻もはやく動物病院に連れていきましょう。