血液検査で何がわかる?

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血液検査で何がわかる?

血液は健康のバロメーターであり、 動物体のあらゆる不調は敏感に血液に反応します。
ですから、血液検査から得られる数値を評価することによって多くの病気の診断が可能です。
健康であっても定期的な血液検査を行い、将来の病気に備えることは有益です。
血液検査で以下のことがわかります。
血液検査で何がわかる?
■総蛋白
肝臓、腎臓の機能や栄養状態を示します。肝、腎疾患や多発性骨髄腫、感染症などで異常値を示します。

■アルブミン
血液中の血清に最も多く含まれている蛋白質で、肝臓で合成され、腎臓でろ過されます。肝疾患や栄養不良で低下、脱水で上昇します。

■A/G比
血清蛋白成分のアルブミンとグロブリンの比を表しています。慢性炎症、肝疾患、ネフローゼ症候群、M蛋白血症などで比の値が低下します。

■総ビリルビン
ビリルビンとは赤血球中のヘモグロビンが壊れることにより発生する色素で、肝臓で処理されます。肝疾患や黄疸で上昇します。

■AST(GOT)
肝臓、心臓、骨格筋に含まれる酵素で、中でも肝臓に多く含まれています。肝疾患や心疾患などで上昇します。

■ALT(GPT)
肝臓に多く含まれている酵素で、肝疾患では有力な指標となります。

■ALP
エネルギー代謝に関わる酵素のひとつで、ほとんどの臓器や組織より作られます。 特に胆道系に多く含まれているため、肝胆道系疾患で上昇します。また、骨の疾患でも上昇します。

■γ-GTP
肝胆道系疾患の検査として行われます。犬、猫ではごく微量しか検出されません。

■尿素窒素
血液中に含まれる尿素量。腎機能の指標として用いられ、腎不全、火傷、消化管出血や高蛋白食摂取で上昇します。

■クレアチニン
蛋白質が分解されたときにできる物質で、腎臓でろ過されて尿として排泄されます。腎機能低下が起こると血液中の濃度が上昇します。

■総コレステロール*
細胞膜や血管壁の構成、副腎皮質ホルモンや性ホルモン、胆汁酸をつくる材料になります。糖尿病や甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群などで高値になり、肝障害や甲状腺機能亢進症などで低値を示します。

■中性脂肪*
血液中では蛋白質と結合したリボ蛋白という形で存在し、生体エネルギーの貯蔵と運搬に関与しています。肥満や糖尿病、甲状腺機能低下症、肝疾患で高値、甲状腺機能亢進症、アジソン、肝硬変などで低値を示します。

総コレステロールと中性脂肪は断食でない場合、測定結果が高くなります。

■カルシウム
骨代謝だけでなく筋収縮、血液凝固にも必須な物質。PTH、ビタミンD、カルシトニンなどがCaの血中濃度をコントロールし、Caの低下はビタミンD欠乏や腎不全などで起こり、多発性骨髄腫やビタミンD過剰などは上昇します。

■無機リン
無機リンの代謝はCa調整ホルモンの影響を強く受けます。腎不全、甲状腺機能亢進症などで高値になり、ビタミンD欠乏症、呼吸不良症候群などで低値になります。

■血糖
血液中のブドウ糖を示し、脳や筋肉のエネルギー源となります。主に血糖は糖尿病の診断において基本的な検査になります。

■リパーゼ
脂肪を分解する消化酵素です。慢性膵炎の憎悪期、急性膵炎などで上昇します。

■白血球数
白血球は好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球の5種類からなり、それぞれの働きは異なりますが、主に細菌感染、炎症、慢性的な炎症性疾患、アレルギーなどで増加し、ウイルスなどの感染症や薬剤(抗菌薬など)で一時的な軽度の減少が起こります。低下が著しいときは血液疾患が疑われます。

■赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリット
ヘモグロビンは赤血球に含まれる血色素のことで、酸素を体の組織に運ぶ重要な役割を果たしています。また、ヘマトクリットとは、血液中に存在する赤血球の容積の割合を示しています。一般にこの3項目が増加していると多血症、低下で貧血といわれます。

■MCV・MCH・MCHC
MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)は赤血球恒数といい、赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリットの値から算出します。貧血の種類(原因)を絞り込む検査項目です。

■血小板
血小板は出血したとき、内部から血管壁に吸着し、止血を行うことを役割としています。血小板の低下は出血傾向が生じたり、紫斑が体表に出現することがあります。また、測定結果が高値は増加を示し、血栓が生じることがあります。
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