犬は虫歯になりにくいという認識が一般的。
人間の歯は前歯以外、臼のような形状であるのに対し、犬の歯の多くは尖っていて歯の表面に虫歯菌がたまりにくくなっています。また、人間の唾液が弱酸性なのに対し、犬の唾液はアルカリ性。唾液に含まれる酵素の違いにより糖分がたまりにくい性質があることも、虫歯菌が増えにくいといわれる要因です。
でも歯みがき習慣のない犬の歯には、歯周病の原因である食べ物のカスや細菌がたまりやすいため、歯周病になりやすいのです。


猫の臼歯も食べ物を噛み切るだけですりつぶしたりしないので、人間のような咬合面は持っていません。そのため犬と同様、虫歯の発生はまれですが、歯みがきの習慣がないため歯垢がたまりやすくなります。
一般にドライフードよりも缶詰を主食にするほうが歯垢の付着率が高いとされています。


歯周病、というと人間の病気のようですが、犬も猫も歯周病になる時代。3歳以上の犬・猫の80％は歯周病または歯周病予備軍といわれています。

歯周病の主な原因は、歯の表面に付着した歯垢（プラーク）。 歯垢は、食べ物のカスと細菌のかたまりで、炎症を引き起こす原因と考えられています。歯垢を放置しておくと唾液中のカルシウムが沈着して固い歯石となり、歯ブラシでは除去できなくなります。 歯石の表面はザラザラとしていて、さらに歯垢がつきやすくなる・・・。何も対処をしなければ、歯が見えなくなるくらいに歯石が付着してしまうことも珍しくありません。

愛犬・愛猫の歯が床に落ちていた、という経験はありませんか。
「あなたも年をとったのだから、仕方がない」と笑ってすませるわけにはいきません。
必ず口の中を見てあげてください。歯周病かもしれません！


眼の下に膿が出ているのを見つけてあわてて獣医に行くと、歯周病が原因で歯肉や皮膚に穴が開いていた、というのもよく聞く話です。
歯周病の原因となる細菌が弱った歯肉の血管に入り込み、全身に送られることでさまざまな合併症を引き起こすこともあります。心臓病、肝臓病、腎臓病など、命に係わるトラブルの原因になるのです。
歯がなくてもこの子はごはんが食べられるから大丈夫、なんて笑ってはいられませんね。



ペットとして飼われている3歳以上の犬・猫の80％が歯周病または歯周病予備軍という事実。
これは歯周病菌を放置しているということです。
歯周病を予防するには、食べっぱなしではなく、積極的に予防法を講じることが大切。たとえば・・・